幽霊―メイド・イン・ジャパン
- 作者: 暉峻康隆
- 出版社/メーカー: 桐原書店
- 発売日: 1991/07
- メディア: 単行本
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- 大和・飛鳥
- 日本神話の影響で、幽霊の存在は明確ではない。飽くまで「死者」である。
- 平安
- 源氏物語の六条御息所を引き合いに出し、実体を持たず憑依を行い、情を訴える。主に女性。
- 鎌倉
- 仏教が定着し、武士階級が落ち武者スタイルで現れるようになる。六道の内修羅道に堕した苦しみを、通りすがりの僧に救ってもらう基本パターン。
- 戦国
- 徐々に武士から民衆が社会の主役となり、幽霊も民衆にシフトする。能や猿楽の普及により、庶民の幽霊も出てくるが、基本パターンは鎌倉と同じ。何かの心残りがあって成仏できないのを、僧侶その他が救う。
- 江戸
- 侍が鎧を脱ぎ、町人が着飾るようになり、幽霊は生者との視覚的な差別化を必要とするようになった。それが京帷子、白装束である。しかしながら今度は恨みではなく、愛情により成仏できない霊もあらわれるため、女性に限っては生前と同じく華やかな着物姿で登場する。後期には下半身のないスタイルが発明され、さらにはお岩さんがデビュー。
- 明治
- 文明開化のため、幽霊の存在自体が強く否定され、見る方も語る方もお話であると理解した上での存在になる。民俗としては、噺家の中くらいにしか今はいない。
現在については語られていないが、都市伝説と絡む形で存在しているとは思う。
こどもに人気のある本は定番を除いて怪談物が多い。