新風舎について

 出版社の一つである新風舎については、ちょっと本屋に詳しければ「ああ、あれね……」くらいには知っている人も多いと思う。
 いわゆる持込をプッシュし、持ち込んだ人間から金を取って写植製本し、後は売らずに逃げ切る。そういう詐欺ではないかと疑われるような商売をやっている、と噂になっている。(噂だよ噂。俺は事実かどうか見てないしー。でも、ネット上でそういう話はググれば出るしー。噂の話くらいさせろよな)
 では新風舎から出版される本は、ろくに編集の手も入っていない駄本ばかりかと言うと必ずしもそうではなく、「引きこもり不登校の女子高生が書いた」とか言って話題になったりするし、実際TRCの送ってくる新刊案内に掲載されたりもする。毎月の出版点数に比すればいわゆるヒット率が低すぎる、と指摘する人もいるだろう。
 まあ、そんな訳で。新刊案内の中に新風舎(や同じようなことを言われる文芸社とか)の本があると、入れていいものかどうかと無駄に悩んだりしてしまう。
 純粋に内容だけ見て判断できればいいんだろうけど、もしかしたらどこかの人が「詐欺(のような)会社に資金を提供するとはけしからん!」みたいな難癖をつけてきたらどうしよう、とか心配してしまうのである。
 図書館もまた役所の一部であるからして、こういうことを意識せざるを得ない部分があり、かくて選書会議で揉めるのでありました。