ホームズとワトスンとプレイヤー

探偵とプレイヤー - 永字八法の続きであり、別の解法。
http://d.hatena.ne.jp/kagami/20050510/p1を読んで思ったこと。
つまり、ホームズ役とワトスン役の両方を登場させ、プレイヤーの視点を仮託するのはワトスン役にするのだ。むしろこっちがミステリ正統だ(ノックスの十戒とかヴァン・ダインの二十則とかを見てください)。
そんな訳でこのようなスタイルのゲームミステリがあってもいいのではないかと提案する。
プレイヤーはワトスンとなり、ホームズを伴って現場をうろつく。違うのはホームズには自分で何かしようとする意思はなく、現場をただ観察し分析するだけである。そして時々、その場で解決できそうな確認事項を唐突に行い、ホームズにしかわからない何かを確認する。ホームズが何を行ったかはワトスンには完全にオープンであるが、その意図は明かされない。ワトスンはワトスンなりに(プレイヤーはプレイヤーなりに)事件を推理するだろう。
しかしある瞬間、ホームズは事件の解決を宣言する。必要なだけの情報がたまったので、真相を看過するのである。
そこでゲームは一端停止する。ワトスンとホームズが見てきたもの、体験したものは同一である。その同一の材料で、ホームズは真相にたどりついた。ならばワトスンにも理論的には真相がわかっているはずである。
以降、ホームズはヒントをしゃべりながら、ワトスンの調査に付き合うだろう。
ゲームの終了は、調査のどの段階でもいいので、警察権力の象徴であるキャラクターに会い、その質問に回答することでなされる。回答した時点ではその正否は判明せず、全ての質問に回答してから後に警察権力が逮捕を行い、その結果を以ってハッピーエンドかバッドエンドかが確定する。回答の前にはセーブをしておこう。
正解に到達し、真犯人を逮捕できた時、評価がなされる。
評価はいつの時点で警察へ垂れこんだかでなされる。
ホームズが事件の解決を宣言した直後に警察権力へ垂れこんだのならば、それが100点である。以降、調査を続ける度に減点されていく。逆に、ホームズが解決を宣言する前に警察権力へ垂れこんだ(かつ正解した)ならば、点数は100点を越えることになる。
プレイヤーの知性に下駄を履かせる訳ではないが、判断材料を限定することによって問題を絞り込む効果が狙えるのだ。