ひぐらしとノックス
「ノックスの十戒」がどれだけ「ひぐらしのなく頃に」に適用できるか考えてみる。
幸いなことに、十戒そのものははてなに登録されているが、一応引用してみる。
- 犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならない。又、読者が疑うことの出来ないような人物が犯人であってはならない。(例、物語の記述者が犯人)
- 探偵方法に超自然力を用いてはならない。(例、神託、読心術など)
- 秘密の通路や秘密室を用いてはいけない。
- 科学上未確定の毒物や、非常にむつかしい科学的説明を要する毒物を使ってはいけない。
- 中国人を登場せしめてはいけない。(当時の欧米における人種感の反映)
- 偶然の発見や探偵の直感によって事件を解決してはいけない。
- 探偵自身が犯人であってはならない。
- 読者の知らない手がかりによって解決してはいけない。
- ワトソン役は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトソン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい。
- 双生児や変装による二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、又は変装者が役者などの前歴を持っていることを知らせた上でなくては、用いてはならない。
これを読んだ後あらためて考えてみると、竜騎士07氏本人が「これはミステリーではない」と言ったのは正しい「ミステリーをあまり読んだことがない」ことがわかる*1。少なくとも、作成にあたってノックスを意識したとする根拠はない。ミステリーは、限られた情報から作中の探偵と同じ結論に達することができるかどうかを楽しむ競技としての側面があるが、ひぐらしのなく頃にに関してはそもそも正解にたどりつくように手がかりを配置する理由が、竜騎士07氏にないからだ。
よって、通常のミステリの手法は「ひぐらしのなく頃に」には適用できない。
※あと、うちの名前は「永字八法」でお願いしたいんですけどどうですか? 間違える人多いですけど。>id:WSPlus:20050105#p1殿
*1:師、曰く。「過ちて改めざる、これを過ちと謂う」
これに関しては思い違いをしておりました。最近のことには記憶力が働きますが、少し古くなると脚色が入ってしまうようです。申し訳ない。現在、さらにこれについて調査中です。