殺人学概論第三講

最初から介入させない方法は、

  1. 殺人や行方不明が事件として警察に提出されない。
  2. 死は確認できるが、それは事故ないし自殺であり、事件性はないと警察に判断させる。

1は、たとえばいなくなっても誰も気にしない人間を被害者に選ぶのが実現できる可能性が高い。たとえば、殺人者の家族の引きこもりとか、
関係者全員で共謀して被害者の存在を抹消するなどである。問題点は、被害者が限定されてしまうことだ。
条件は難しいが、第一講義で言う1ないし2の状況を作り出せる分、成功率や安全率は高い。

2の方が実現可能性が高いだろう。事故ないし自殺と判断されれば、それは刑事事件ではなくなる。警察が介入する理由もなくなるのである。では、そのためにはどうすればよいか。
まず、企業を巻き込む形での事故はよろしくない。たとえば、被害者が乗っている車のブレーキを云々等である。科学的捜査によってその手の欠陥は発見される可能性が高いからだ。
事故に見せかける場合は、「これなら死んでも仕方がない」と思わせることが大事である。たとえば、被害者の湯上りにビールを飲ませて扇風機を当てて夜通し放置するなどである。このような場合、医者がその死体を確認して事件性の有無を判断することになっている。事件性なしとなれば、死亡診断書がくだされ、事故死が確定する。そうでなければ警察に連絡し、より詳しく調べるために検死がなされる。
4の状況を演出できる。