殺人学概論第二講

本講の技術的背景を、現代日本とする。
推理小説などでは無能の代名詞となる警察だが、実際のところその捜査能力は侮れない。
日本まだプロファイリングが導入されていないなどの劣った面もあるが、科学的捜査自体は世界トップクラスだ。ただし、死体から情報を得る検死技術は、「数年での異動」ルールが働きそれほど熟達はしない。
ただし、科学捜査法の恐ろしいところは、愚鈍で愚直であるが故に嘘や誤謬を許さない点である。事実のみを丹念に積み上げて何が起こったのかを再現する遣り方は、見てないところまで勝手に見たことにしてしまう探偵と言った人種とは一線を画し、じわじわと真綿で首を締めるように犯人を追い詰める。
従って、殺人学において最も避けるべきは警察の事件への介入であると定義できる。(探偵は誤魔化せる。かっこいいダミーのストーリーを用意してやればたやすくそっちに飛びつくだろう)

次の講義では、
第三講:警察に介入させない
第四講:警察の介入を無効化する
方策をそれぞれ考えてみる。