ちょっと考えてみた。

言語解析、要素解析は単純な理論がなくてなんとなく手を出す気にならない。
むしろ、人工生命の方からボトムアップして人工知能につなげられないものかと考えたりする。
人工生命の行動は

  1. 外界からの刺激とそれに対するリアクション
  2. 内部からの衝動に基づくアクション

の二つのパターンによって規定される。(行動=アクション+リアクション)
どの状態の時にどの行動を選択するかは、快/不快の原理で決定される。
これは

  1. 不快を遠ざけ
  2. 快を得る

と言う優先順位で働く。
また、この判断には記憶と経験に基づく未来予測が必須である。
状態、外部の存在、行動を全て過去の記憶と経験によって快/不快で評価しておき、経験が足されるたびに再評価がなされる。
何かの状況に出会った時、どのように行動すれば最も快が極大に、不快が極小になるかどうかを経験から計算し、行動を決定するのだ。
たとえば、空腹と言う不快状態は、食事と言う行動を行えば解消できることをこの人工生命は知っているとする。
また、天敵は究極の不快状態「死」と結び付けられた存在であり、「死」と等価であることを人工生命は知っているとする。天敵からの「逃走」は「疲労」とさらなる「空腹」を招くが、それは「死」に比べるとまだ小さな不快である。よって、人工生命は快/不快の原則に従い「逃走」を選択するはずである。
問題はこの未来予測の部分にある。
どれくらいのスパンでの未来予測をするかが重要になってくる。ここをうまく作れば、今を我慢して学習や鍛錬や禁欲に励む人工生命が可能になってくる。法社会において、いけすかない自分に短期的な不快をもたらす他者を撃ち殺さないでいるには、この長期スパンによる判断が必要になってくる。