学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)

え、何ですか? この作者、こういうどちらかと言うとお人好しだけが取り柄の主人公が大きな運命に巻き込まれる話が好きなんですかね。これを読んだのは、涼宮ハルヒを読んだ直後だったので、なおさらそんな風に思ってしまったのですが。
しかし、主人公の最後の決断だけれども、ありゃないだろうと思ってしまったのですよ。優柔不断もいいところ、タイムアップでしたから。そこだけは、ちょいといただけませんでした。
一人の人間の死に対抗するにはどれだけのエネルギーが必要かと言う問題もありますが、むしろ一人の人間の人格を維持するのにどれくらいの手間が必要なのかと言うのも気になります。もっとも、人間はビリー・ミリガンを例に出すまでもなく、複数の人格を一つの体に宿らせるくらい簡単にできるようですが。
この話の中で唯一共感できるのは、死人は何も考えず、何も望まないと言うこと。あの世だとかそんなのを知覚する能力を持たない私としては、それが唯一の、疑いようのない説だと思っています。死んだ人間はおとなしく死んでいろってんですよ。(と言いつつ、ゾンビとかそういう不安定な存在に心魅かれるのは何故なんでしょうね。やはり、どっかで死んだ人はどこか遠いところに行って別の生活をしているだけなんだと信じたいからでしょうかね)
えーとまあ、妹好きは買っても損はないですね。あたしゃ妹属性はないんで、その点はどうでもよく素直にライトSF(?)として読めました。