選定基準(気が向いたら書き換えていきます)

Q1
ほんとに自分で自炊するのがいいのか、業者に頼むのがいいのか。
A1
業者、とここでは回答します。自分でやる場合、使用機器は事実上、富士通ScanSnapシリーズに限定されますが、業者に頼む場合、それを超える性能を持つ業務用機器を使用する業者を選べるからです。他にも後始末とかを考えたら業者は充分にアリです。
Q2
「結局、どこの自炊代行業者がいいの?」
A2
とても難しい問いです。教科書的な回答をするなら、あなたが何を重視し、何を軽視するかで変わって来ます。ですので、逆質問をしたいところです。

業者を使うことの問題。

この自炊業代行者と言う職種はニッチであり、いずれ本の主流が電子書籍へシフトした暁には衰退することが約束されていると私は考えている。ならば、存在している間はせいぜい頑張ってもらおうと思う。
現在、著作権を根拠とした訴訟リスクにさらされているが、これは自炊を代行することの是非であって、自炊そのものは著作権的にはセーフである。自炊したファイルを放流、すなわち違法アップロードするかしないかと言う問題もあるが、これは自炊代行業者の有無とは関係無い。
とは言え、122人の連名による自炊代行禁止通達や、7人から7社への起訴と言う前代未聞の事態もあり、未来が不明確であることも否めない。
まあ、そんな状況だからこそ今の内にやっておくと言う考え方もありだろう。

業者選定の基準

整理すると、品質、価格、納期、サービスの四つの要素ではかれると考える。

1.スキャンの質

スキャンモードはカラー、グレイ、白黒二値の三つがあり、この中で絶対に選択してはならないのが白黒二値である。たとえラノベを取り込むからと言って容量削減のために白黒二値を選んでしまうと、一昔前前の質の悪いコピーを見せられてる気分になって後悔することは間違いない。
カバー、口絵などはカラー、それ以外はグレースケールと選べる業者がベストで、次点では機械による自動判別にまかせる業者である。
dpiの値は300か600が主流で、追加オプションで1200dpiなどを行なうところもある。もっとも、そんな精度が要求されるとしたら画集などで、そんなのは自炊せずに持っておけと思う。
明記してない業者には、問い合わせるのがいいだろう。聞くだけならタダだし、この部分の対応で業者の質も見えてくる。
もう一つ注意すべきは、口絵や折り込みの扱いである。ラノベなどは、冒頭に折り込みでキャラクター表などを持っている例が増えているので、これをきちんとスキャンしてくれるかどうかも大事な点である。
なお、図書館的な話をすると、本のページ数のカウントは表紙・口絵を除き、めくった中表紙のタイトルを1ページとするのが正式な作法である。まれにこれに準拠する業者がいて、口絵などは本文を全部スキャンした後、最後に改めてスキャンしたり、表紙は最初からスキャンしなかったりする場合もある。

2.価格の質

ほとんどの業者が100円プラス消費税を基準にして料金体系を持っている。
300ページないし350ページで一冊と考え、それ以上のページを持つ本は追加200ページごとに一冊分の料金を追加する、とか。
中には厚みに関わらずいくら、と言う業者もあるので、送る本をよりわけできるならば、業者を分けるのも手ではある。
なお、ページ数と言った場合、実際にスキャンした回数をもってページ数とする業者が多い。Amazonのデータの場合、ページは中表紙からカウントを始めた数値であるのが殆どで、これは図書館的には正しいカウント方法ではある。
なのでAmazonのデータからページ数を抽出した場合、追加料金を取られることもあり得る。取り敢えず送って料金計算をしてくれる業者もあるので、可能ならそれに頼ろう。
もし、自分で目安としてでも料金を算定したいならば、後述もするがWeb上の本棚サービスを使用するのが楽でいい。これらの本棚サービスにアカウントを作成し、業者に送る予定の本を登録していく。最後にエクスポートすることで、Amazonのデータによるリストが完成する。これにページ数が記述してあるので、これを利用する。書いてない書誌データもあるが、そういう場合はだいたい薄いので気にしなくてよい。

3.納期の質

ここは実際のところ気にする必要はないかも知れない。
優良な業者にはリピーターがつくため、納期はどうしても遅れがちになる。じっくり自分の個人図書館を育てるつもりならば、多少の遅れは気にするべきではないだろう。ただ、中には平気で三桁日待たせる業者もあるので、その辺は気分で選んで欲しい。
ちなみに私が25箱送りつけた業者は、半年経つがまだやっと分割納品の一回目が来ただけである。質はいいんだけどなー。

また、納品方法についても検討すべきである。
・メールに添付
・自社鯖にアップして、リンクだけ送ってくる。
・ユーザー毎アカウントを作り、NASにログインさせる。
ダウンロードサイトにアップして鍵をかける。
・メモリー、DVD-R、ハードディスクなどを物理送付。
理想的にはあとあとの管理も考えて物理送付だが、ちゃんと取得できればどの方法でも問題はない。物理送付はモノと運搬費がかかるので、予算との相談が必要。

4.サービスの質

ここが大事と言う人もいるかも知れない。

ファイル名について

ほとんどの場合、上がってくるpdfのファイル名は、タイムスタンプだったりランダム文字列だったりすることが多い。これをよしとしなければ、ほとんどの業者で有料で変更を受け付けている。私は正しいファイル名を付けるのは己の業務だと思っているので、業者のつけたファイル名も最終的に変更してしまう。なので、私にはここに金をかける理由はない。

OCRについて

小説でも漫画でもOCRしてくれる業者もある。多くは有料だが。着けたければつけてもいい。OCRは後でソフトを使って自分でも可能であるし、業者がやっても精度95%は変わらない。むしろ、pdfをjpgに変換する際に、埋め込まれたフォントが邪魔してうまくいかないこともあり得る。完成後のファイルにどこまで手をかけるつもりか、そこを基準にして決めるといい。

プラットフォーム最適化について

中にはiPadKindle(やkobo!?)などのプラットフォームに合わせて、余白を切り落としたり階調を最適化したりしてから送ってくれる業者もある。この変換は多くは不可逆変換であるため、私は最適化をしていない。リーダーにiPad miniとPCを使っている以上、不要と言うことも可能。
必要になった時にフリーソフトを導入すればよい。
私はついでに言うと、自前でスクリプト組んでpdfをzipに変換してたりするので、ほんと要らない項目ではある。

カバーについて

本を覆うカバーはスキャンされずに捨てられることも多い。また、それを加工してスキャンするのは、有料の場合が多い。
ちなみに私は、送る際にカバーは外して送っているので、このことで悩むことはない。外したカバーはとっておき、物理的な送付リストと位置付けている。さらに言うと、カバーを全部外すと4冊分程度は一つの箱に入る量が変わる。カバーの厚みは馬鹿にならない。
カバーについて、私はAmazonを筆頭とするWebから取得して自分でアレする予定なので、ないならなくてもいい。それでもなければ取っておいたカバーから写真を撮る予定。

業者の所在について

送料もただではないし、ほとんどの場合利用者が手出しすることになるので、業者の所在が近い遠いも意外と重要な問題になる。どの業者も料金が送り先地域によって変わってくるので、他の条件がよいからと遠方の業者を選ぶと、リピーターになる時にあれっと思うようになる。
ただ、中には着払いでいける業者もあるので、条件を満たせないかどうか検討する価値は常にある。

そもそも信頼できるのか

こればっかりは、2chのスレで確認するとか、実際に何冊か送ってみて試すとかしかない。