地方の条例が全国に影響を及ぼす実例を一つあげてみる。

さて、こういうブログを読むと言うことは、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正についていささか否定的なスタンスを持つ人が見ているのだと思う。少なくともこれを書いている私がそうだ。そうでなければブラウザバックしてください。二度と来るな。
この条例改正がもたらす問題についでは、Web上でもどこでもいたるところで議論がなされており、今更私が付け加える理路など思いつかないが、一つ特筆すべき事例があったので提示してみたい。
この議論の中で、このような半ば仮定的な遣り取りがあったと思う。

賛成派「ただの地方条例じゃないか」
反対派「それが全国のほぼ8割以上の出版社が集中する東京の条例であることが問題なんじゃないか。東京でできない、となればそれは全国的にできないのとほぼ同義だ」
賛成派「実例をあげない限りは杞憂に過ぎない」

そこで「地方条例の影響が全国に波及する」その実例をみつけたので紹介してみたい。

汝、桜肉馬太郎を知らずや

まずは、こちらをご覧いただきたい。
http://d.hatena.ne.jp/Tez/20060709/p1
ここで東京都のお墨付き厳選エロ漫画として俎上に乗せられたのは、以下の二冊。

この二冊、恐るべきことに、ある時期を境にamazonから抹殺されている。ISBNのリンクをクリックしてみるとわかるが、amazonのデータに基づいたはてなのシステムだと、アイテムが存在しないことになっている。しかし、このISBNをググッたら、当たり前にいくつものサイトが引っかかる。実際、私の手元にこの本は存在する。(後で自炊するけど)
以前私はamazonでこれらの本を見た記憶があり、後日amazonで入手のため検索したら全く引っかからなくて驚愕したと言う経緯があり、今回のエントリーの基になった。(そのために別の業者のIDを取得したりして面倒この上なく)
陰謀論に囚われず虚心に何があったかを考えた場合、恐らくは東京都の決定を知ったamazonの自主規制があったのではないか、そのように思う。決して圧力があったりした訳ではないだろう。少なくとも、法廷での証拠に使えそうなレベルでは。
しかし、だからこそかえって危険とも言える。古来より、最悪の検閲は自主規制であることは言を待たない(そのはずですよね?)。それが、実際に起きてしまった。
amazon八分どころの話ではない。ポルナレフになって「もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」と脂汗流して呟くべきレベルの話だ。
現行の条例でさえ、これだけのことをやってしまうのだから、これがさらに厳しく「改正」されればどのようなことになるのか、想像するだに恐ろしい。
「ズリネタが取り上げられるのが嫌なんだろう」と言うアナタ、もしいるのならば猛省すべき。何故そんなプライヴェートなことまでお上の介入を許さなければならないのか。マゾか。官憲に蹂躙されることでしか興奮できない特殊な性癖なのか。他人の性癖をとやかく言う暇があったら自分の性癖をゲフンゲフン。
まあ、私自身の名誉のため(?)に言うならば私はケモノスキーではなくてロボ娘スキーなので以下略。
ともかく、ボヤボヤしていると裏でこっそり恐ろしいことが進行してしまうので、国民の皆様におかれましてはお上のやることはしっかり見張って声を上げていただきたい。よろしくお願いします。