優先順位

昼食を終え、マイ箸を洗いに給湯室に行く。職場で割りばしなどという非エコなシロモノを使っている者はいない。実際のエコに対する効果のほどはおいといて、少なくともささくれが指にささることは避けられるのであれば、導入の意味はあると思う。
立ちミーティングをする掃除のおばちゃんたちを横目に給湯室へ。狭いので、一人一人順番に洗う訳だが、そこでシンクの上のゴキブリ(幼虫。推定二〜三齢)と目があった。
スポンジに界面活性剤ママレモンを浸して上から! いやしかしスポンジはあるが肝心の洗剤がない。キッチンペーパーあるいはティッシュでわしづかみ! しかしない。ゴミ箱の中とかにもないので、次の人に掃除のおばちゃんを呼んでくれと頼んだら。
「後でいいじゃないですか」
……生物相手に「後」があると思ってんのかこの野郎。
そいつを押しのけて自分でお掃除おばちゃんを呼びに行った。幸いなことに、ゴキブリは逃げていなかった。逃げていなかったのは結果論であって、だから後回しでもよかった訳じゃないんだよ。
なんかもうイラっとした。ゴキブリ退治よりも箸を洗う方が、そしてその後の自分の予定の方がよっぽど大切なんだろうな。
こういうのとは、わかりあえそうにないと、世界にまた一つ失望した。