オリスクの話(6)NScripterのことはNScripterにまかせる。

世間は日進月歩です。世に最初にひぐらしが出た時から比べても、NScripter自体がバージョンアップを繰り返してきました。具体的には2.00から2.90になるくらい。
そのバージョンアップの過程で追加された命令の中に、addnsadir(アッド・エヌエスエー・ディレクトリ?)と言うものがあります。これは、他のフォルダを指定して、そこにarc.nsaがあればそこからも素材を引っ張ってこれるようにする命令です。ついでに言えば、フォルダの指定はフルパス指定(「C:\」で始まるようなアレ)も可能です。
そうです。addnsadirの登場によって、そもそもファイルを移動すると言う苦行から逃れることができるのです。問題はファイル移動そのものにあったのです。ファイル移動さえなければ! ファイル移動さえなければ! 大事なことなので2度言いました!
また、昔から知られていた事実ですが、NScripterでは全てのファイル指定はフルパス指定することが可能です。音楽ファイルもです。
この二つの事実を組み合わせると、「ファイル移動する必要はない。どこか余所のフォルダからうみねこのフォルダの中身を全て漁って使える」と言う新たな事実が浮かび上がってきます。
次の疑問は「じゃあ、どこにうみねこがインストールされている?」です。
これもヒントはNScripterのマニュアルにありました。NScripterはgetreg命令で、そのパソコンのレジストリを読むことができます。うみねこを付属のインストーラーでインストールした場合、その登録フォルダがレジストリに記録されます。なので、NScripterうみねこがどこにあるかを知ることができます。

  1. うみねこのなく頃に」がどこにインストールされているか調べる。
  2. そのフォルダの中を使えるようにする。

これができれば、これまでオリスク製作者を悩ませていた環境に対する問題は全て解決するのです。
オリスクをダウンロード! 解凍! そのフォルダの中の「nscr.exe」をダブルクリック! ばりばりに素材を使いまわすぜー! 飽きたらフォルダ毎削除! 終わり!
拙作の「む式」は、この発想をベースにして、オリスク製作者がそういうしち面倒臭いことを意識せずスクリプト作成に専念できるよう、ライブラリ化(ブラックボックス化とも言う)したものです。
自動車を動かすのにトヨタ期間工になる必要はありません。極論すれば無免許でも動かせます(ポリスに注意!)。「原理が理解できないから」自動車を使わずに自転車を使うのは、個人の自由ではありますが、もったいない話だなとは思います。
今回はたまたま私にNScripterの若干の知識があったので、いわば自動車を作成することができましたが、作った以上は誰かに使ってもらいたいとは思います。