危機管理

珍しく外出した訳で。
所用もすぐに終わり、そのまま帰るのもアレなんで、本屋にいったんですよ。普段いかない本屋。でも、品揃えからすると別にどうということもない、いわゆる無個性型と言うやつで、ジェネラルルージュの凱旋を前二作とともに大量に平積みしてるなあ、なんで納棺夫日記じゃないんだろ、とか思いつつ、帰ることにしたんです。
で、その本屋、郊外型のちょっと大きめな本屋で、新撰組のロケに使えそうな大きな階段があるんですよ。その階段を降りようとした時にですね、やっと歩けるようになったくらいの、俺の膝上くらいしかない幼児が、階段の上でフラフラしてるのが目に入ってですね。
見回すんですけど、親っぽい人はいないんですよ。
えええええ、と思いつつ、その幼児のすぐ下の段あたりでブラブラ階段途中のポスターなんかを見てる振りを始めたんですよ。言葉なんか通じないですしね。
いやもう、俺チキンですから、店の人に「サンシャイン似の変なおっさんが幼児を誘拐しようとしてます」とか通報されやしないかとヒヤヒヤしながらですね、直接幼児に触れるのもアレですから、万が一落ちた時にブロックすることくらいしか思いつあなかったんですよね。
途中、何人かが階段を利用したんですけど、幼児の関係者はひとりもいませんでした。やべえな、俺の見てるポスターポケモンじゃねえか。「アルセウス超克の時空へアルセウスって何だよ。今の俺、幼児誘拐する犯罪者と、ポケモンの映画に思い入れのある中年と思われるかの二択かよ。
階段の最上段に座り、俺の脚に蹴りを入れていた幼児も、やがて飽きたのか、階段から離れて絵本コーナーに向かった訳で、そこで俺はやっと本屋を出ました。逃げるように。
ほんと、自分の子供はしっかり見ててくださいよお母さん。