WALL・E

これは見たい - 永字八法の続き。
見てきました。
前半、主役のWALL・EとEveのいわゆるパントマイムのかけあいで、全編これで乗り切ってくれるのかと思ったら、後半は人間がわらわら出てきて(ロボットもいっぱい出るけど)、ちょっと予想と違った。けど、全体として泣けました。マジで。
増えすぎたゴミの始末をロボットにまかせて、その間人類は宇宙でゆっくり生活することにしたんだけれども、予定の5年が過ぎても人間は戻ってこず、ロボットたちも次々に壊れ、700年が経過した時には地上にはWALL・Eだけが残っていた。
WALL・Eはそれでも毎日仕事をしていた。スクラップを集め、立方体の形に圧縮し、それを積み上げてビルを作る。誰も使わない誰も見ない人類の記念碑。ゴミの中から、人間っぽいものを集めては巣に持ち帰り、ミュージカルのビデオを見ては、恋人と手をつなぎたいと願う。
WALL・Eの徹底的に人間を模した生活は、笑える(ロボットネタの基本!)とともに泣けてきます。朝は低電圧で動きが鈍く、車輪にキャタピラをはめるのも一苦労。太陽電池で充電してからしゃっきりと仕事に出る。ある時、壊れた冷蔵庫の中からWALL・Eは植物の苗を見つける。
そこに、宇宙に出た人類(より正確には船をコントロールするコンピュータ)の送ってきた地上探査ロボットEveと出会う。彼女は地球に植物を探しにやってきた。WALL・Eは仲良くしようとするが、Eveは最初は歯牙にもかけない。植物が見つからなくて少しイライラしてるEveに話しかけることで、やっと少し仲良くなった。WALL・Eは彼女を喜ばせようと、色々な物を彼女に見せる。その中に植物の苗があった。Eveはそれを見つけて狂喜乱舞し、それをしまいこんで停止状態に陥った。母船の回収を待つための防衛モードと思われる。
それから数年(?)が過ぎて、WALL・Eはその間ずっと動かないEveに毎日呼びかけながら過ごしていたが、ついに母船がEveを迎えに来て、Eveを連れ去ってしまう。WALL・Eはその母船の外壁にへばりついたまま、大気圏を突破、太陽のプロミネンスから充電し、木星の輪に触れて氷の感触を楽しみ、やがて、地球を去った人類の乗る船にたどりつく。後は見てのお楽しみ。
つうか、Eveもいい加減高性能だけれど(探査マシンのくせに内蔵の銃器が強すぎるし、理屈はわからんが空飛んで軽く音速の壁を突き破る)、WALL・Eの無駄な頑丈さがすげえ。雷の直撃を受けても大丈夫、ロケット噴射にさらされても赤熱するだけで済む、宇宙船の外壁にへばりついて大気圏脱出、真空も絶対零度も太陽光の直接照射にもめげないとか、どんだけオーバースペックなんだ。まあ、そもそも700年メンテナンスフリー(壊れた部品は仲間の死体(?)から剥いで交換してるんだけど)なだけで充分BNL脅威のメカニズムだ。
ストーリー的にも、なんで700年経った今になってやっと探査ロボットを送りこんできたのか、とか、人類全員が宇宙に出た訳じゃないから、他の人類はどうなったのか、とか、宇宙船の中の人類の生活は、これってディストピアだよね、とか、色々疑問はあるが、泣けたからまあいいやと言う気になっている。