なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書)

Amazonでの「こるくた」氏のレビューがちょっと気になった。

携帯電話ならいつも持ってますし、単純なプロットの
ケータイ小説は暇つぶしに丁度いいんです。
サイトに自作をアップするのも、いつものメールの延長で、
手軽に、紋切り型の物語を書いて遊んでる子がほとんどです。

ここまではいい。しかし。

本を買う大多数の子は、漫画感覚で短時間で読める、ありきたりで
コテコテのパターンを、あえて楽しんでいるだけです。

……え、「漫画感覚」でいいんなら漫画でいいんじゃね? 無理して文字読まなくていいんじゃね?
携帯画面で見るならともかく、本の形にして買って読むなら漫画でいいんじゃね? 今の少女マンガなら「コテコテのパターン」くらいすぐに見つかると思うし。
まあ、著者の分析が絶対に正しいとは言わないけど、逆にこの「こるくた」氏の説明では「本が売れる理由」には弱いと思う。
つうかあれか、少女もまた少女マンガから離れ始めたと言うことなのか。どっかの記事で見た「マンガが読めない」とかいうほど今の若いのは画像処理能力が偏ってるのか。(リアルの人間の顔は覚えられなくても、二次絵はキャラクターどころか下手すりゃ描き手も見た瞬間わかるってのがオタクだから、それとは別の方向で能力を発揮してるって意味で)
どうもはっきりしないんだよなあ。
レビューに難癖をつけるのは筋違いだろうが、「こるくた」氏にはもっと突っ込んで説明をして欲しかった。
「コテコテのわかりきってるパターンを読んで、じゃあそれの一体何が面白いのか?」とできれば質問してみたい。
あと、ケータイ小説がウケる理由 (マイコミ新書)のレビューは、「なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書)と比べるとマシ!」って言ってるが、どういう内容なのかは書いてなくて消化不良だ。
で、内容の結論。
ケータイ小説は各自が自分の生に意味があることを確認させてくれる『物語』である。そのために身の回りのごく狭い範囲のことしか描写されず、ひどいイベントが繰り返されてヒロインはズダボロになるが、最後にヒロインは救われる。救われなければならない」
そんなみえみえの物語で救われるのもどうよと言う点も含めて、特に反論すべき点もなく。