数学は実生活に役に立つか?

 飲み事での会話。
 ガテン系技術屋が言った。
「必要な技能は色々あるけど、どれも習うより慣れろで。でも、三角関数が普通に役立つのが驚いた」
 これを聞いて、それぞれが自分の仕事で数学が役に立つかを考え始めた。
 そこで俺が言ったのは、こう。
「いやー、仕事以外でも遊びで役に立つよ? フィボナッチ数列とかランダム関数とかカオス関数とか」
「そんな遊び、したくない」
 ごもっとも。

 気を取り直して。俺は言った。
「ランダム関数もねー、大変なんだよねー。線形合同法は質がよくないから使いたくないんだけど、メルセンヌツイスターは、使うのも大変で」
「ローカル時計のミリ秒を使えばいいじゃん」
「いや、それじゃ再現性がないだろ?」
「再現性があるんじゃランダムじゃないじゃん。意味わかんね、意味わかんね」
「いや、要るんだって」
「わかんねーよ!」
 説明の仕方、悪かったかなあ。

 何故か数学なんてやる奴は変人だ、と当たり前の結論に落ち着いた。あれー?