日常に潜むアレその2

カラオケボックスにて。
集まった友人のうち一人が、実話系雑誌の出した心霊系ムックを買ってきて、それをパラパラめくったりなんだりしてちょっとそれ系の気分が出ていた時のこと。
突然携帯に電話がかかってきた。ナンバーディスプレイには「公衆電話」としか出ていなかった。今時一体誰が?と訝りつつも電話に出た。
「××××」
「あの、もしもし?」
「××××(同じセリフ)」
何度か繰り返した後、周囲から、外で話せとジェスチャーされて廊下に出る。
「あの、どちらですか? どちらにおかけですか?」
廊下に出ると、やっと少しずつ聞き取れ始めた。相手は男性。外からかけているので風が強いのか、機械が古いのか、雑音が酷い。
「×××失敗××」(同じセリフ!)
「は?」
「×××は失敗しました」(同じセリフなんだよお!)
確かに、「失敗」とか聞こえた。流石に恐ろしい物を感じ始めた。
「あの、どちらにおかけですか? どなたですか? もしもし!」
やがて、プーと言う警告音がしてから、電話は自然に切れた。