ランダムウォークについてだらだらと

ランダムウォークとは

理想的なコインがあるとする。コイントスすれば表と裏が出る確率が完全に同一で、しかも立ったりしないコイン。その表裏にそれぞれ「+1」「−1」と書き込む。(書き込んだことで重量バランスが崩れたりはしない。念のため)
そして普通の平面グラフを用意する。X軸にはコイントスをした回数、Y軸にはそれまでのコイントスで出た結果の合計を当てる。
コイントスを何十回となくやってみると、原点から始まり、一度として真横に動くことのないジグザグなグラフが出来上がる。このジグザグなグラフを、ランダムウォークと称する。

ランダムウォークの性質

「+1」か「-1」しか出ないので、グラフは真横に進むことはない。そしてY軸は奇数と偶数(含む0)が交互に出現する。
試行回数nの時点での、yの理論上の最大値と最小値は、それぞれnと-nになる。

イメージで考える

大半の人は、このランダムウォークのグラフは、X軸周辺をうろうろするように直感的に考えるかも知れない。本当にそうだろうか。

試行回数 0になる組み合わせ 全組み合わせ 0になる確率
0 1 1 %100
2 2 4 %50
4 6 16 %37.5
6 20 64 %31.25
8 70 256 %27.34375
10 252 1024 %24.609375
12 924 4096 %22.55859375
14 3432 16384 %20.947265625
16 12870 65536 %19.6380615234375
18 48620 262144 %18.5470581054688
20 184756 1048576 %17.6197052001953
22 705432 4194304 %16.8188095092773
24 2704156 16777216 %16.1180257797241
26 10400600 67108864 %15.4981017112732
28 40116600 268435456 %14.9445980787277
30 155117520 1073741824 %14.4464448094368
32 601080390 4294967296 %13.9949934091419
34 2333606220 17179869184 %13.5833759559318
36 9075135300 68719476736 %13.206059957156
38 35345263800 274877906944 %12.8585320635466
40 137846528820 1099511627776 %12.5370687619579
42 538257874440 4398046511104 %12.2385671247685
44 2104098963720 17592186044416 %11.9604178719328
46 8233430727600 70368744177664 %11.7004087877604
48 32247603683100 281474976710656 %11.4566502713487

(続きはランダムウォーク資料編 - 永字八法に)
Yが0になる確率は、試行回数が8回以上で30%未満、16回以上で20%未満、28回以上で15%未満、64回以上で10%未満、256回以上で5%未満、708回以上で3%未満となる。
試行回数が少ない頃ならまだしも、長くなればなるほど0にタッチする確率は印象であっても多いとは言えないことがわかる。
(続く)