読み捨てに利用される図書館

赤い糸 上

赤い糸 上

赤い糸 下

赤い糸 下

 何かを批評する時には本来きちんとそれを読んだ上で批評しなければならないのだが、この手の携帯小説に限っては帯の売り文句を見るだけでみるみる投げ捨てたくなるので一冊も読めないでいる。実際に投げ捨てていないのは、それが図書館の本だったり本屋の店先で平積みされているいわば他人の本だからであって、奇特な誰かがいくばくかの金品と一緒に本をくれた(こんな本ロハであっても欲しくない。むしろ金でももらわんと引き取りたくない)としても、私はにっこり笑ってそれを受け取ってブックオフに投げ捨てに行くのは間違いない。
 未成年の酒・煙草・援交・ドラッグ・リスカ・家出・暴行・虐待、そんな酷い生活を送ってるアテクシかわいそう! もっと共感と言う名の同情をして! 帯の売り文句からはそんな印象しか受けないのだ(印象ね、印象。読んでないからあってるかどうかわからないんだけど)。
 まあ、そんな訳で個人的には価値が低いと思ってるこれらの携帯小説だが、だからこそか、リクエストが来る。以前のDeepLoveの時もそうだったが、「読んでみたいが自分で買うほどじゃねー」と思った人がリクエストを出すのであろう(とこれまた勝手な想像をしてみる)。
 ま、しかし、そういう本もあってこそ図書館が世相を映す鏡になれるのだと思いなおし、リクエストの案件を上に回すのでありました。