用意周到なれど詰めが甘い

 ある利用者、この本はあるかと尋ねてくる。
「えーと、あいえすでぃーえぬ? コードも控えて来たんだけど」
 惜しい。時代は既にブロードバンドもとい、ISBNですね。
「で、これなんだけど」
 と、10桁の数字と9桁の数字を見せる。……9桁? 旧ISBN10でも10桁だろう?
「あ、あれ、写し間違えたかしら?」
 まあ、チェックデジットなくても検索かければわかるけど……あ、これか。
 見つけ出して無事に貸出できて終了。
 お客さんは、そう、チェックデジットの「-X」を書き落としていたのだ。Xを「ペケ」と認識して、そこには数字はないと思ってしまったらしいのだ。
 珍しいが、ありえない話ではないと思った。
……まあ、これからはISBN13になるので、そんなこともなくなるだろうが。