神話特集

ふと気になって、神話の絵本を調べてみた。
民話や伝説はさておいて、神話に限定した(境界はちょっと曖昧だが)。それだけだとものすごく少ないので、聖書も対象にした。あれが実際にあったことだと信じてるガチガチの原理主義者はこの際おいておく。

全集

世界の神話絵本 全8巻

世界の神話絵本 全8巻

内容

アダムとイヴ (世界の神話絵本)

アダムとイヴ (世界の神話絵本)

アルテミス物語 (世界の神話絵本「ギリシャ」)

アルテミス物語 (世界の神話絵本「ギリシャ」)

三体の神の物語 (世界の神話絵本「インド」)

三体の神の物語 (世界の神話絵本「インド」)

女神イシス (世界の神話絵本)

女神イシス (世界の神話絵本)

アマテラス (世界の神話絵本)

アマテラス (世界の神話絵本)

聖書物語 (世界の神話絵本「旧約聖書」)

聖書物語 (世界の神話絵本「旧約聖書」)

※三体の神の物語はインド神話。ヴィシュヌ・ブラフマー・シヴァの物語。

日本

日本の神話〈第1巻〉くにのはじまり

日本の神話〈第1巻〉くにのはじまり

日本の神話〈第2巻〉あまのいわと

日本の神話〈第2巻〉あまのいわと

日本の神話〈第3巻〉やまたのおろち

日本の神話〈第3巻〉やまたのおろち

日本の神話〈第4巻〉いなばのしろうさぎ

日本の神話〈第4巻〉いなばのしろうさぎ

日本の神話〈第5巻〉すさのおとおおくにぬし

日本の神話〈第5巻〉すさのおとおおくにぬし

日本の神話〈第6巻〉うみさち やまさち

日本の神話〈第6巻〉うみさち やまさち

おなじみの日本神話を一通り。

朝鮮

檀君―朝鮮半島の建国神話

檀君―朝鮮半島の建国神話

ただし、檀君からその後の諸朝鮮との連続は不明なんだが。

中国

巨人グミヤーと太陽と月―中国のむかしばなし (大型絵本)

巨人グミヤーと太陽と月―中国のむかしばなし (大型絵本)

あらすじ
グミヤーの創った世界を、10人いた太陽と9人いた月がよってたかって照らして、そこに住む生物を苦しめる。グミヤーはやむなく弓矢を用いて太陽と月を殺していく。太陽と月が一人ずつになった時に和解が成立する。月はグミヤーの矢がかすって肝が冷え、以後、冷たい天体になってしまう。また、太陽はグミヤーを怖れるばかりに、雄鶏によってグミヤーがいないことを告げてもらわないと顔を出せなくなる。

中国の天地開闢としては巨人盤古とその死が発端のはずだが、それとは別に他民族によってこういう話も伝わっている。また、この話は、羿(げい)神話との関連が取りざたされている。

シュメール

ギルガメシュ王ものがたり (大型絵本)

ギルガメシュ王ものがたり (大型絵本)

ギルガメシュ王のたたかい (大型絵本)

ギルガメシュ王のたたかい (大型絵本)

ギルガメシュ王さいごの旅 (大型絵本)

ギルガメシュ王さいごの旅 (大型絵本)

あらすじ
長いので略

恐らくは世界最古にして最大の英雄の物語。読んでも涙しか出てこない。
能力の高い優れた人物が、必ずしも幸福になれるとは限らないことも教えてくれる。
ところで、なんで深夜のテレビ番組はあんなタイトルなんだ?
ドルアーガの塔の人は、英雄ではあるがこの人物に比べると小物かなと。無数の宝具を操る尊大な金髪青年は、ちょっと解釈がアレすぎる気がする。

ギリシャ

おしゃべりエコー―ギリシャ神話 (YOHAN Kids Club英語絵本)

おしゃべりエコー―ギリシャ神話 (YOHAN Kids Club英語絵本)

あらすじ
ニンフのエコーは、ゼウスの浮気を手伝いヘラを騙したことにより、ヘラから呪いを受けてしまう。相手の言ったことをそのまま繰り返すしかなくなったエコーは、ナルキッソスに愛を打ち明けられず悲嘆のまま死んでしまう。しかしその声だけは今も山野に残っており、やまびこと呼ばれている。ナルキッソスについてはまだ続きがあるが、それはまた別のお話。

この絵本自体はCD付きの英語教材の絵本だが、「リピートアフタミー」と先生に言われるよりもエコーの気分になった方が色々楽しいのは間違いない。

北欧

はなよめになった神さま―アイスランド・エッダより

はなよめになった神さま―アイスランド・エッダより

あらすじ
巨人の王が、神々との戦争で勝利を得て、最も美しい女神フレイヤを嫁に出せと要求した。フレイヤは嫌がり、かわりに雷神トールが女装して輿入れした。色々とばれそうになるが、それを付添のロキが適当に言い訳して誤魔化し、最後に決定的な瞬間を狙ってトールが巨人の王をぶちのめす。

超マッチョ、野性的な男性原理そのものである雷神トールが、ヴェールをかぶって女装すると言う部分にたまらないおかしみがある。それをごまかすロキのトリックスターぶりにも注目したい。最後はハンマーで敵をぶちのめすと言うカタルシスも得られる軽妙なハリウッドにも通じる物語。

北米

天の火をぬすんだウサギ (児童図書館・絵本の部屋)

天の火をぬすんだウサギ (児童図書館・絵本の部屋)

あらすじ
うさぎが勇気を出して神々の居城に忍び込み、火を盗む。追われるうさぎは、火を他の動物にリレーする。たくさんの動物たちがそのリレーに参加する。うさぎは火の煙に巻かれて目が赤くなり、他の動物たちも火のせいで尻尾が短くなったりする。最後、火は木の中に隠され、神々も追いかけるのを諦める。以後、木と木をこすりあわせると、隠れている火が出てきて燃え出すんだよ。

たくさんの動物たちが出てくるいかにも絵本的な構造を持つ物語。そして動物たちの容姿と火に関する由来譚になっている。語ることが楽しい絵本。

南米

世界をささえる一本の木―ブラジル・インディオの神話と伝説

世界をささえる一本の木―ブラジル・インディオの神話と伝説

未読。申し訳ない。

まとめ

お子さんを正統派オタク(?)に育てたいお母様方へ。
他にも神話を扱った絵本募集中。