R.O.D〈第7巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

R.O.D〈第7巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

R.O.D〈第7巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

仕事帰りの深夜、古本屋に寄ってみる。
そこで何かないかと物色していると、偶然にもかなり趣味の近い知人と出会った。夜の散歩の途中だそうだ。
本について四方山話をしていると、ふと「これは是非読んでおくべきだ」と彼が勧めてくれたのが、R.O.Dだった。
「いやでも長いし。俺が欲しいのはさらっと読めるものなんだが」
「なら、7巻を読むべきだ。むしろ7巻だけ読んでればいい」
彼があんまりにも勧めるので、半信半疑ながらワゴンの中から100円の値札のついたそれを取り上げてレジに並んだ。
それからしばらくして、手間のかかる作業の間に積んであったその本を手に取った。
……面白い。
と、言うかまさにサブタイトル通り「紙福の日々」だ。
R.O.Dの醍醐味と言えば、紙を自在に操る能力を持つ読子やその他の、いわゆるスタンドバトルなのであろうが、その戦いの合間の日常生活を描いたこの一冊は、全く別の魅力を放っている、と他巻を読んでもいないのに言ってみる。
100巻シリーズ不眠不休読破読子すげー!
初めて読んだ本と言われて「母子手帳」と答える読子すげー!
「こうこうこんな本」と言われて、タイトルを眺めるだけで選び出す読子すげー!
……なんか読子のオタクっぷりばかり目についているようだが、本好きであればゲラゲラ笑うしかないようなネタばかりである。
しかも、最後の読子の特技は、図書館で働く者としては理想像そのものであろう。ついでに地下の秘密古書店の店長の人間データベースもまた、図書館員ならばいつかは自分もと目指す境地であろう。
いいなあ、こういう本バカたちは……。
つうか、ほんとこれ読めば他のアクション巻は読む気しなくなるよな。
ハラショー、あなたに紙の祝福を。