パターン認識

先を読む頭脳 - 人工知能に関する断創録より

盤面全体をそのまま丸ごと覚えるというより意味のあるパターンを認識してそこにいたる軌跡を記憶から引き出していることを示している。

そういや、昔家庭用囲碁ソフトの開発記事を読んだことがあったなあ。
色々な試行錯誤をしたが、相談をした数人から勧められた方式は、盤面をパターンで覚えるのはどうかと言う方法だった。
つまり、目一つが5進法の一桁に相当(0=空白,1=黒,2=白,3=黒取られ,4=白取られ)するので、それによって形を認識、定石を当てはめると言うやり方だ。
定石パターンをたとえば3×3の広さで覚えるとする(現実にそんな定石はないがそこはまずおいといて)。その定石パターンが盤面のどの部位に出現しているかチェックするには、総当りの処理がいるだろう。ある程度はアルゴリズムで短縮できるにしても、だ。この処理は定石パターンが広がれば広がるほど増えていくので、当時のハード性能の限界からするととても現実的ではなかったのであっさりスルーされたのだそうだが。
しかし人間はこれをうまく認識しているのだなあと感心した。と言っても、視神経のシナプスを大量に並べる力まかせ処理なのは間違いないんだが。