統計は正しいが全てを語らない。

二つの町があり、それぞれにレモネード売りが派遣されている。A町は紳士の町。B町は北斗の拳的な町。

レモネード売りA(A町担当)

紳士「レモネードを一杯」
A「どうぞ」
紳士、レモネードを飲み干すと、財布の中からクレジットカードを取り出す。
紳士「支払いはこれで」
A「承りました」
その日の営業時間後、Aは帳簿をつけた。
A「本日の売上……1」

レモネード売りB(B町担当)

モヒカン「wせづじょlp;@:!」
B「フリーズ! それ以上近付くと撃つ!」
B、警告に足元を撃ってみせる。
モヒカン「おいおい、客に向かってそれはないだろ〜?」
B「客だぁ? 客だったら金を持ってるはずだ。……待て! ゆっくりだ。ゆっくりと手を出すんだ」
モヒカン「ほうれ、このとおりだ」
モヒカン、赤黒い血のついた1ドル札を取り出して、ぴらぴらと振る。
B「いいだろう。反対の手は挙げたままだ。そのままで、その札をそこのレンガの隙間にはさめ。……ゆっくりだ! ゆっくりとだぞ……」
モヒカン、Bをじっとにらみながら言われたとおりにする。
B「ようし、そのままだ。そのまま5メートルさがるんだ……手は挙げたままだ!」
モヒカン、じわじわと下がる。B、レモネードの缶を一つポケットに入れ、銃を構えたままドル札に近付く。緊張の一瞬。本物だと確認すると、レモネードの缶を放り投げつつBは車に走って戻る。そのまま振り返らずに車を発進させる。
ミラーの中では、モヒカンがサタデーナイトスペシャルを構えて悔しそうな顔をしている。やっぱり襲うつもりだったのか。
その日の営業時間後、Bは帳簿をつけた。
B「本日の売上……1」

マネージャーのC

AとBの帳簿を見比べて言った。
C「二人の売上は同じだから、二人とも給料は同じでいいか」
本当にそうか?