予算削減

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/saga/20060612/20060612_001.shtmlhttp://dora-hikarilibrary.air-nifty.com/kumanews/2006/06/post_19b3.html経由)

佐賀

県「図書館先進県」掲げるが… 削減進む図書購入費 「県立」は前年比25%減
 県内の図書館で、図書購入費の削減が進んでいる。県立図書館では、本年度予算が昨年度の25%減となり、重点配分されていた10年前と比べるとほぼ半減。その他の公立図書館の合計をみても、この10年で20%減り、地方の緊縮財政が影を落としている。「図書館先進県づくり」を掲げる県は、図書館の連携による「相互貸借サービス」を進めているが、利用者の希望が多い新刊本は対象になりにくいなど現場の悩みは多く、切り札とはいかないようだ。

■相互貸借に力点

 県教委社会教育課によると、図書館法に基づく県内の公立図書館は現在、21館。うち基幹図書館として専門書を重点的にそろえる県立図書館は、本年度の資料費(図書に雑誌や新聞、ビデオなどを含む)が4477万円で、昨年度の5957万円から1500万円近く減った。

 同館の資料費の推移を見ると、1993年度も本年度と同規模の約4300万円だったが、94―97年度は蔵書を増やそうと約8200万円を措置。その後、再び減り続けてきた。同課は予算の厳しさを認めながらも「現在は相互貸借も進み、10年前と状況は異なる」と説明する。

 相互貸借サービスは、県内の図書館、図書室のそれぞれの蔵書を融通しあう仕組み。利用者は、読みたい本が近くの図書館にない場合、他館から借りられる。以前からあった仕組みだが、2004年度から公民館など協力館が拡大、現在は52館が参加している。

 さらに04年12月からは公立図書館をインターネットで結び、一括して全蔵書が検索できる共通のシステムがスタート。相互貸借される冊数は03年度の約2400冊から05年度には約5500冊に倍増した。県立図書館の永石千恵子館長は「相互貸借の活用で、館によって特徴が出せれば、すみ分けも進むのでは」と期待を寄せる。

 しかし、相互貸借の推進力となるこの検索システムを導入しているのは現在、公立図書館の一部と佐賀大、西九州大の計13館。昨年度からは、接続にかかる費用が市町負担となったこともあり、参加する公立図書館は増えていない。

 さらに鳥栖市立図書館司書の川原哲也さん(50)は「相互貸借は増えているが、どちらかと言うと以前出版された本が主。新刊本で予約が殺到するようなものは他館から借りるわけにいかず、予約待ちを少なくするために、ある程度冊数も必要」と悩ましげに話す。

 鉄道やサッカーなど鳥栖にちなんだ特色ある蔵書を目指しつつ、市民の希望にも応えるのが同館の目標。だが、本年度、初めて図書購入費が大きく削減され、昨年度より200万円少ない1800万円となった。川原さんは「専門書は県立に任せたり、従来同じものを複数買っていたガイドブックなどは冊数を減らしている」と語る。

 県立を除く公立図書館のうち、比較できる15館について図書購入費の推移を見ると、97年度は計約2億7900万円だったのに対し、04年度は約2億2300万円と20.2%の減。「どの館もすべての本を満遍なくそろえるのは難しい状況」(県立図書館)のなか、知恵と工夫で乗り切るほかないのが現状だ。
 =2006/06/12付 西日本新聞朝刊=

図書購入費を削減されたら、図書館ややっていけんのだけど。
人件費にしわ寄せさせるしかないのかなあ。