デッド・ディテクティブ (講談社ノベルス)

設定勝ちのミステリ。
豪華クルーザーに乗った人間が、沈没により一人を除いて全員死亡して始まる。
その沈没直前の船の中で起こった殺人事件について、浄玻璃の鏡を持った閻魔大王他地獄の裁判官たちが捜査をするが、浄玻璃の鏡を使い関係者全員の証言を合わせても、誰が殺人者か特定できなかった。
ただ、もっとも嫌疑の濃かった主人公の女性だけが、冤罪(とも言えないが)を晴らそうとして独自調査を申し出る。補助として三人の探偵がつき、死者たちによる捜査が始まる。
この設定だけでぐらっときたので読んでみた。
ちなみに探偵がついた理由は、人間のことは人間が一番理解できるからとしている。
この時候補に上がっていた(すでに死んだ)探偵は、

だったが全員が辞退したと言う。現代日本人の心理は現代日本人でないとわからないと言う理由だそうだ。
浄玻璃の鏡をかいくぐるトリックは、言われてみればなあんだと言うようなもので、しかしそれはつまりいいトリックだと言うことだ。伏線もちゃんと張ってるしね。