偶有性

人工知能とメディア・ゲーム・教育 - 人工知能に関する断創録より。

MMO(Massive-Multi Online)ではリアル社会のように挙動するゲームシステムが求められているらしい。ここら辺が人工知能技術と関係あるのだろうか?ゲームで使われるAI技術に興味あるので楽しみ。

今のMMOは一つの閉鎖系としての社会としてみたら歪つすぎる。その辺はうさだBlog / ls@usada's Workshopに詳しい。無限に金が集まり、無限にインフレがすすみ、社会の構成員(つまりPC)全員が大金持ちになってしかも物流は麻痺した状態に無限に近付いていく。資源を有限に、あるいは資源を常に消費する状況が作り出せない限り、人間社会の模倣はできない。
価格を安定させることを目的とし、市場に流す物資量を調整する能力を持つNPCを設置し、その操作を人工知能がやるとか言うのであればわからない話でもない。しかしそれは人工知能を必要とするほどのものだろうか。IF-THENで充分ではなかろうか。

こっちの意表をつくような行動を適切な状況でとってくると驚きとともに面白さを感じる。こういうの実現するにはどうすればいいんだろう。

そりゃあ、コンピューターが明確にこっちの意図を察し、それを無効化しつつコンピューターに設定された目的に合致する行動を選択するようにすればいいんじゃ? って、言うだけなら簡単だけど。
要するに、コンピューターが定石ではなく、プレイヤーの頭の中を想像するような仕組みを作ればいいんじゃないか。そして、プレイヤーの意図を裏切るような行動を選択すればいいんじゃないか。
そう思ったら。
クロフォードのゲームデザイン論 - 人工知能に関する断創録
って、20年以上前に同じことは考えられているのね……。
ちなみに孫子云々だが、私の理解する限りでは、戦術論としての孫子兵法の最大のコツは「兵は詭道なり」の言葉に集約されると思う。
列挙される合理的な手段の中から、最も敵の予測できない手段を選択せよ、と言うことだろう。萩原子荻ではないが「正々堂々、真っ向から不意討って」いくのが正しい理念ではなかろうかと。