Milky Space ~悲しきセクサロイド~

Milky Space ~悲しきセクサロイド~

Milky Space ~悲しきセクサロイド~

実は、このゲームはクリアーしていない。
けれども、システムについて思うところがあったので、これについて書いてみる。
アマゾンの紹介を見ればだいたい話はわかるが、補足をするならば、舞台設定として何らかの理由で男が生まれなくなった世界であることが重要だ。だからこそ主人公は事故後も生かされている訳だ。労働力として、かつ、種馬として。
主人公である(男性型)セクサロイドは、脳と神経と精巣だけの存在であり、それに機械脳が付随することで機械の体を動かしている。しかも、対外インターフェイスは全て機械脳が取り仕切っているので、主人公=プレイヤーは大雑把な衝動と言う形でしか影響力を行使できないようになっている。
ゲームは時間単位ごとに宇宙船内のどこに行くか(居るか)場所を指定することで進む。そこにヒロインがいれば、ヒロインとのやりとり、ないしヒロインの行動(痴態)が見れ、時にはフラグが立つと言う仕組みだ。主人公は船内管理システムとリンクしているので、ヒロインたちの居場所は完全に筒抜けだ。
ヒロインたちの行動は完全に決まっており、また、プレイヤーの行動による影響はその場その場で収束するようになっている。ある場所にあるヒロインが一人でいるとする。そこに行かなければ、ヒロインはそこで仕事を済ませ、次の時間帯には別の場所へ行く。主人公がそこにいけば、会話等があり、うまくいけばマシンペニスを使う機会が得られる。しかしそれが終われば、やはりヒロインは当初の予定通り別の場所で次の仕事にかかるのである。
何が起こるかシナリオは決まっているため、クリアーするためには、頭を働かせてどこで何が起こっているのかを知る必要がある。同時に、決まっているからこそ失敗して最初からやり直した際に、いわば「前回のループの記憶」によってうまくイベントをクリアーできるのだが。
このシステムに大幅な自由度を加えると、どきどきポヤッチオになる。
また、非常に低い自由度、プレイヤーの行動がヒロインたちに与える影響度の低さに対するエクスキューズとして舞台設定が使われている点は、逆転裁判シリーズに通じるものがある。あちらはハードそのものの限界をうまくゲームのルールに落とし込んでいるが、こちらはプログラミングで楽をするために制限したとしか見えないのが残念だが。
何が言いたいのかと言えば、時間経過と場所移動を組み合わせることでプレイヤー自身に得られる情報やイベントを選択させるこの形式は、ゲームがゲームでいるための最低条件だと感じることだ。
今後、何か作るにしても、最低限こう言った形式を踏んだあくまでゲームを作りたいと思っている。
EAN:4538017000066