黒い悪魔

黒い悪魔がやってきて
ハードコアな気持ちにさせる

なんてロマンティックな状況ではない。
六本の足を持ち、二本の触覚を持ったあの走り回る黒い悪魔が現れたのだ。白昼堂々、客の前にだ。
この紙しかない図書館の中で一体連中は何を食っているのか実に疑問である。が、疑問は疑問としておいといて、目の前の現実に対処せねばならない。
右手に、トイレットペーパーをぐるぐる巻く。そして、気分はGガンダムだ!

俺の右手が光った上に唸る!
ゴキブリつかめと轟くついでに叫ぶ!
輝く指ーっ!

内心叫びながら、本棚の林の中で黒い悪魔を握る。握りつぶす。ぐちっ。この感覚は……二つ折りにしたぞっ!
そのまま握力の限りを尽くしつつ、上からさらにトイレットペーパーとセロハンテープでぐるぐると梱包。裏のゴミ箱にダストシュート!
掃除の後は手を洗おう。石鹸つけてゴシゴシゴシ。