Moe CAFE

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11:18入店。
場所は雑居ビルの3階。エレベーターの前に立ち、廊下から匂う時間の経った立小便がかつての記憶を呼び起こす。
以前大阪にいた時、このビルにはカードを買いに来ていたなあと。あの店はとうの昔になくなって同人ショップになっているが。
それはともかく、ドアが開いていたので入ってみると、客はおろか店員すらいなかった。ちょっと唖然としていると、奥から男性スタッフが出てきて「どうぞどうぞ」とやってくる。
店内に飾り気はなく、BGMがアニソンだったりポスターが女神様やガンタネだったりするくらいで、ちょっと目には騙されそうだ。ただ、それぞれのテーブルの上にフィギュアが乗っているのはどうなんだろうと思った。

ゴッグと目が合ったのでそいつにした。後でジャイアントバズーカかかえたドムがいたことに気づくが後の祭り。
そんで、席に座り、男性スタッフにメニューとかみたいなのをもらう。ああ、そうか。ここはメイド喫茶ではなくてコスプレ喫茶で、しかもキャバっぽいシステムを採用しているんだね。
同じくトーストとコーヒーを頼む。こっちはトーストだけで400円だ。運ばれてきたトーストはジャムを2ミリか3ミリくらいの厚みで塗ってあっためただけで、さっきと比べるとちょっとちょっとと思ってしまう。

食べ終わった後、他に客もいないし、女の子も一人しかいなかったけど、その女の子にトーク10分800円とやらをやってもらった。一人しかいない女の子はハガレンのコスプレをしていた。
軽くジャブから始めてみる。「その衣装、自分で選んだの？」
これは業者製の自前のだ。本当は大佐のなんだけど、胸の飾りを取って誤魔化して中尉にしてある。最近はずっとハガレンで云々。
ぽろっと学校の話が出たので、「え？　学生さん？」と聞いてみた。
すると、二度目の高校三年をやっているが学校にはいかず（コスプレ喫茶で）バイトしてその金でコスプレ衣装を買ってコスイベントに参加していると清々しい返事が。いいなあ、正直な子は好感が持てるよ。
エドワード・エルリックのコスプレをする時の右手の苦労とか、D.Gray-man reverse 1 旅立ちの聖職者 (JUMP j BOOKS) (JUMP jBOOKS)のアレンのコスプレ、左手をどうこうする自信はないとか、コスプレに関する話題を適当に、ほぼこっちが聞いているだけ。
「今までで一番すごかったコスプレは？」とたずねると、かつてみたFF7のクラウドが一番すごかったとか。あの大きな剣もきちんと作ってたと。「あれ？　長物って持っててよかったの？」と聞くとなんでもありありのレイヤーに優しいそういうイベントもあると言う返事。へー。
で、長物の規制に関する話題になって、じゃあ仮面ライダー響鬼のコスプレをする場合、あれらは長物になるのかどうかと振ってみた。
「太鼓のバチはまだいいとして、ギターとかトランペットは？」
「うーん……長物、かな？　あ、でも、あれがないとおかしいよ」
結論は出なかったが、持ってないと変だと言う意見は同意した。
で、約束の10分をはるかにオーバーして（て言うか、他に客がいない）、12:00に次の女の子が入り、12:05に次の客が入ったので、いい機会なので席を立った。
トースト400円、コーヒー500円（え？）、トーク800円、しめて1,700円なり。
最後に、相手してくれた子がさらさらっと手書きのメモをくれた。きてくれてありがとうみたいなことを書いていた。うわあ、ますますキャバ臭い。12:10、店の外へ。