2005年6月号

id:eiji8pou:20050314:1110804485 の続き
有賀冬(もえみー)さんが二作目を雑誌に掲載されました。
やっと読めた。
有賀冬「多重不倫」。内容はネタバレにつき隠す。

確かに前回の「イレギュラー奥様」に比べると趣向が違う。より誌面に合致してるのはこっちじゃないでしょうか。
そして改めて正座してエロ漫画読むと、やはりエロ漫画はファンタジーなのだなあとつくづく思うのです。実際問題、こういう不倫ってリスクが高すぎて(毎回のホテル代やら、時間の調整やら、この作品では興信所とか使ったりしてるし、何よりバレないように気を遣うと)やってらんないでしょう(そう思うのは、俺が枯れてるからかなあ)から、それをやすやすとやってしまうのはエロ漫画やポルノ小説ならではのファンタジーだろうと。
なお、この作品の醍醐味は、狡猾に色んなマスクを使い分けて主導権を握っていた人妻が、それを失って従う側に落ちていく過程にあると見ました。支配―被支配の逆転と言う奴ですね。支配を続けていた人妻が、いざ関係を失いそうになった途端、ころっと態度を変えて被支配の立場になって関係を継続させる。まあ、これも駆け引きなんでしょうけど。
で、特筆すべきはやはり人妻物であることでしょうか。背徳は快楽の友と言う奴で、不倫男AとBが意外と仲良くなれてるのも、共犯者意識があるからなんでしょうね。(まあ、人妻物ジャンルの意味とかは、もうちょっと時間をかけて考えてみたいところですが)
旦那に対する伏線で終わってるのも、今後の展開を読者に考えさせて余韻を残す意味で王道です。
しかし……二ヶ月に一本のペースでは、単行本が出るには一年以上かかりますね。頑張っていただきたいところ。

あ、で。雑誌の他の部分について。
読者コーナーにやっぱり三峯徹がいるよ!(笑) 今一体何誌に出してるんだよ!
いや、それはそれで驚きだけど、視点が斜めすぎるよな。
実用性高くていい感じです。
たまに、たねいち「車獄」みたいな作品があって、いいアクセントになってます。都市伝説くさくて面白いですね。絵はちょっとマイルドにしたサガノヘルマーみたいでアレですけど。