ジョンQ-最後の決断- [DVD]

この映画は4つの見方ができると思う。
最初は、家族愛をテーマにした人間ドラマとして。その意味では極上だ。主人公のジョン・Qは息子を救うためにすごいことをしでかす。同じ立場に自分が置かれた時、自分ならばどうするか? そういう問いかけを思い起こさせるようになっている。また、しでかすまでの過程がじっくり描かれているので、観客にはただの犯罪者とは一線を画す存在になっている。
次は、社会派の問題提起映画として。アメリカ社会の医療問題の矛盾を暴く内容だが、敵の存在がはっきり描かれない分、華氏911なんかと比べると弱い。
三つ目はアメリカ文化の教材として。家族への応援の仕方とかを見ると、ああ、これがアメリカなのかと頷ける。家族は応援して、それに敵対する者は全てこきおろす。
最後に普通のストーリー物として。……いくらなんでもそのクライマックスはご都合主義に過ぎるだろう。登場人物が言っていたけど「そんな偶然があるなんて」そりゃ、観客のセリフだ。まあ、感情的にはそれで満たされるが、なんか釈然としない。