都立水商(おみずしょう)!

都立水商(おみずしょう)!

都立水商(おみずしょう)!

夢のお話。
主な内容については商品説明を読んでもらうとわかるとして。
その都立水商の設立準備で2年、それからやめるまで10年を過ごした職員が、最後の挨拶の日にそれまでの生活を回想する形で話が進む。
物語としては、最初に一つ大きな嘘を通して組織をつくり、それが人材と運に最大限恵まれて成功すると言うパターン。集まった講師陣も熱意たっぷりなら、集められた生徒たちも才能豊かなものばかり。普通なら「こんなにうまく行くわけがないだろう」と途中で醒めてしまいそうになるのを、たまに差別意識や偏見の暗い影を落として渋みをつけ「現実味」をまぶすことに成功している。また、たまに現実世界の有名人の名前をちらっと出すこともこの一環だろう。
この作者、夢と現実のギリギリのラインの見極めがとてもうまいんじゃないでしょうか。
一方で世の中への問題提起みたいな面もあり、教育とスポーツとメディアに対する警鐘と読むこともできます。
ただまあ、この作品が故意かどうかわからないですが、無視してる大問題があるんですよね。それは、暴力団との関係って奴ですが。これを描き出すと泥沼になりそうだから、あえてやらなかったとも思えますが。

女子にはホステス科、ソープ科、ヘルス科。
男子にはマネージャー科、ホスト科、ゲイバー科、バーテン科。
後にイメクラ科、SMクラブ科が創設されると言う設定。
酒もタバコもフーゾクもやらない私としましては、へーと言う他ないんですよ。ていうか、クラブみたいな場所で何時間も何をするのかと。仲間内の話がしたいだけなら女の子いらんじゃん、とか思ってしまうのですよ。まあ、ソープなら何をするか迷いませんが行かないもので。
私としては、マネージャー科の実技(ウェイター業務)はともかく経営理論くらいなら学びたい気もします。ホステスの時給と座席数とチャージ料の関係を方程式にして健全な価格設定が可能なら、ボッタくられることも減る訳で。多分。

ホステス科の女生徒(とゲイバー科の男生徒)が「実習」をする時、着ている衣装は、自前なんだろうか。だとしたらやたらと金のかかる学校だと言うことになるな。まあ、髪を染めてくることが奨励されるような学校だから、自前なんだろうな。

関連があると思ったリンク

loveless zero
http://www5.big.or.jp/~seraph/zero/
性の商品化等について、現在の風俗産業とは別の視点でとらえるのにいい資料となります。
思い出したコミック
君にちちあれ (ワニマガジンコミックス)RaTe)に収録されている短編「タマビ」(=埼玉靡術短期大学)
もちろん、これは単なるエロ漫画だが、設定等「こうしたら面白くなるんじゃないか」と言う思考の方向性が同じだったので。