各キャラクターへの概観

前提として、全てのキャラクターが同一の裏設定を持って雛見沢に配置されたことを忘れてはならない。鬼隠しで斧を振り回したのも、綿流しで名推理を披露したのも、祟殺しでロッカーを蹴ったのも同じレナである。

前原圭一
頭はいいが肉体的には普通の学生。雛見沢に引っ越した理由について語られていないのが気になる。父親は画家であり、実のところあまり場所にはこだわらないはず。ただし、母親はいわゆるキャリアウーマンであり、雛見沢に引っ越すにあたって仕事をやめるなり転職するなりしなければならなかったはず。そして圭一自身は、受験ノイローゼなどで精神的に不安定な部分があることがうかがえる。
竜宮レナ
本名は礼奈。鬼隠し編以外では、綿流し編でちらっとオヤシロさまに対して過剰な反応を示す他は、いたってまとも。茨城での事件をレイプとその逆襲と捉える向きが多い。もしレイプであるならば、PTSDなどにより二重人格が生じる可能性がない訳ではないが、それがあのような人格になるかどうかはさらなる説明が必要。
園崎魅音
背中に鬼の刺青がある。実際に見たかどうかはさておき、このことを知っているのは村の中の一部と、雛見沢の因習を調査していた鷹野、そして大石である。(このことはhttp://07th-expansion.net/Cgi/cbbs/cbbs.cgiにおいて竜騎士07氏本人が発言している……ゲーム外に重要な情報があったりして、少々ミステリー作家としては不適当な行為に思えるが)よって、綿流し編で園崎家の地下の井戸の底で首の骨を折って死んていた少女の死体には、間違いなく「鬼の刺青があった」ことになる。詩音に刺青がないことがはっきりわかれば、死体は魅音であることが確定する。社交的な性格に見えるが、それは恐らく将来村を束ねるための訓練の成果。スキル的にはゲーム中最強? 綿流し編以外ではただの頼れる人でしかないが、暇潰し編などを見ると手段を選ばないテロリストであることはわかる。
北条沙都子
トラウマキャラ。最も恵まれていない家庭。しかしそのようにしたのは本人の行動の結果の疑いがある。TIPS「恨み帳?」を読んだ後で、北条夫妻の死に様、「自然公園の柵が腐っていてそこから濁流に落ちて死亡。現場には北条沙都子がいた」を考えると、一つの可能性が見えてくる。
古手梨花
秘密キャラ。暇潰し編での超能力のタネがわからない。今後の予定を告げる何かとのコネクションがあるのは確か。
園崎詩音
あらゆるトリックのタネにされる「双子」。綿流し編では、図書館を出てエンジェルモートに向かう詩音を一体誰がさらったのか、どのようにさらったのかが不明。園崎魅音に共犯者はいたのだろうか。
富竹ジロウ
祟殺し編エンディングの被災者リストにある「潰れた文字」の解析結果を信じるならば、キャラクターそのものがミスリードである。ただ単に殺されるためだけに昭和58年の雛見沢にやってきて、鷹野に利用されて(?)死ぬだけの存在である。彼の背後には何もなく、名前がはっきりしないのは純粋に彼の職業上の偶然と思われる。
鷹野三四
名前が風変わり。さておき、このキャラクターの行動原理は、祟殺し編エンディングの被災者リストにある「潰れた文字」の解析結果を信じるならば、圭一が綿流し編で得た感想が正解であろう。その限度を知らない好奇心の故に、猫のように殺される運命にある。けれども、ただの猫で済まない点は、その狡猾さをもって自分の代理人を殺害し焼却するなどの行為である。全ての編で富竹と鷹野の祭具殿侵入は行われたイベントであり、しかもその時点で鷹野は死んでいたはず。しかしこれは替え玉を用意すれば容易に解決するトリックである。一つは村の人間が鷹野と呼んでいた人物が実は鷹野ではない。もう一つは、鷹野自身は一度も歯医者に行っておらず、替え玉として焼死体にされた人物が鷹野名義で歯医者の治療を受けていた可能性である。鷹野自身は、園崎の追求から逃げおおせたのかどうかはわからないが。