メガネ恋。

この俺が、一迅社のアイリス文庫を購入することになろうとは。しかしこのタイトルは(そして裏表紙のあらすじを読んでしまった以上は)避けて通ることはできまいて。メガネスキーとして!

メガネ恋。 (一迅社文庫アイリス (と-01-01))

メガネ恋。 (一迅社文庫アイリス (と-01-01))

舞台は、眼力(ほぼ魔法の意味で使われる)で成り立ったとある王国。全ての人々は眼鏡をかけ、眼鏡を媒体に眼力を行使し、社会を営んでいた。そこでは、眼鏡も衣服の一部とする文化が成立し、眼鏡なしは全裸に等しい扱いを受けると言う。なにその眼鏡属性専門国家。
ヒロインは見習い眼鏡修理業者で、ひょんなことから高位の眼鏡を身につけてしまい、それが外れなくなってしまう。その上、その眼鏡の精霊(同じ眼鏡をかけた美青年。表紙画像右の男)に言い寄られて(中略)最終的には表紙左の男(金髪碧眼の伊達眼鏡)ともくっついて、ヒロインが両手に花(?)なのですよ。
なんかもう、宝塚を初めて見た寅さんみたいな気分です。豪華絢爛かつ異文化すぎて!
単純に性別入れ替えたら男オタクの読むハーレム系コンテンツとの違いはほぼなくなるんだけれども、キャラクターのディテールがやっぱり男が対象か女が対象かで全然違うところに、むしろ感心してしまいました。つうか、無駄に脈絡もなくヒロインを褒めるんだよなあ、精霊の男。それが女性の「こうされたい」と言う心理なのかっ! 逆に男はどうやったら喜ぶんだろうとか考えてしまった。
一瞬、これをアニメにしたらとか思ったのですが、R.O.D.(無印)の時に眼鏡キャラはアニメーターにとって鬼門と言う話を思い出し、主要登場人物はもとよりモブにいたるまで全員が眼鏡キャラと言う設定は、よく訓練された奴隷であるところのアニメーターでさえ労働拒否を起こすかも知れないなあ、と思いなおしました。