所有権問題

MMO的なものを考えていた時に気付いた問題。
この時は、キャラクターの性能に一定の制限を加える目的で、物理世界の徹底的なシミュレートから始まっていた。貨幣一枚にいたるまで重量が存在し、大金を持てばそれだけでキャラクターの性能が下がるのだ。それによって金貨だけでなく宝石&貴金属(金貨に比べて遥かに軽量&高価値)市場も活性化すると期待したのだ(贋金問題さえも盛り込める、実に楽しいゲームになることは間違いない……と俺は思う)。同時に、銀行業もまた活性化するはずであった。
ただし、物理世界のシミュレートを考えた場合、所有物とはキャラクターの身体に接触している物のみと捉えるのが基本である。そこに銀行に預けるなどのアクションをした場合、「所有権」の問題が浮上してくることになる。
預ける先が頑丈な金庫を想定した場合は、金庫の鍵の所有者が、事実上金庫内部の品の所有者とみなすことができる。アイテムそれぞれに所有者情報を持つ必要はなく、現在位置情報だけで済むのだ(それはつまりデフォルトのままと言う意味だ)。大きな品を左右することなく、この鍵を受け渡すことで所有権の移転がなされるのだ。いわば、鍵に値がつくのだ。このシステムは古代エジプトで主流だった、「穀物を納めた倉庫の所有権を示す証書」が紙幣の如く扱われたのと同じである。(古代エジプトの場合はさらにおまけがあって、穀物は時間と共に劣化するため、証書は寝かせず回した方が有利であり、それが市場全体を活性化させる原動力にもなっていたと言う。)