オラオラ詐欺続き
キョウハクされちゃった♥ - 永字八法の続き。
翌日、早朝。昨日は休暇を取っていた現場責任者ダグラス(Douglas)に状況の説明。ダグラスは「あーあ、しょーがねー奴らもいたもんだ」とニヤニヤしながら聞いている。
それから、細かい仕事の色々を抱えて役所に行く。ついでに業務上のボスにも昨日のことを説明する。こっちは真面目に説明してるのに、何でか聞いてるボスや側で聞き耳立ててる職員たちの顔が緩んでくる。
特に「それは脅迫ですよね?」「そうだ!」のくだりはヒットだったようだ。噴出す音が背後から聞こえて来た。
俺「そんな訳で、もしかしたら、嫌がらせの電話がかかってくるかも知れません」
ボス「あー、うん、わかった、まあ、いつものことだから、ああ、お疲れさん」
中傷ビラとか怪FAXなんかは頻繁ではないものの、決して珍しいことではないのが役所と言うもので。
そして諸々の用事を済ませて帰ってくると、同僚のエルンスト(Ernst)がニヤニヤしながら待っていた。
エルンスト「いない間に、かかって来ましたよ」
俺「ええー!」
テレビでパンチラシーンを見逃した、あ、いや、この例えはまずいな。うたたねしてアニメを見逃した子供、そんな気分だ。
俺「それで、どんな内容でした?」
エルンスト「それはですねえ……」
ブリギッテを出せと言う奴と俺を出せと言う奴の二人がかりでかかってきて、電話を切っても切ってもかけなおしてきたようだ。で、対応したエルンストもイライラしてきて、逆に食ってかかっていた様子。
エルンスト「そんなに言うなら取りに来ればいいじゃないですか!」
チャーリー「こっちは東京だから行ける訳ねーだろ!」
あちゃ。言っちゃったよこの馬鹿。「あんたを調べて追い込みかけます」とか言う脅し文句がこれでパーじゃん。本気で頭悪いなこの馬鹿者もとい若者。
結局、いないものはいないので電話に出られないのも当然で、30分ほど通話料を無駄にしつつ、電話攻勢はやんだのでした。
エルンスト「……と、言う訳なんですよ」
俺「あー、出たかったなあ! 色々試してみたいこと考えてきたのになあ!」
しかしながら、この日はそれ以上「オラオラ詐欺」(命名:俺)の電話がかかってくることはなかったのであります。どっとはらい。