キョウハクされちゃった♥

今日はとても楽しいことがあったので日記を書かずにおれません。
新しい職場にて、そろそろ閉めて帰ろうかと言う時分に、電話がかかってきました。
それを取った女性職員(以後アリスAliceと呼称)は、電話が指定する別の女性職員(以後ブリギッテBrigitteと呼称)を呼びました。(電話が指定した名前は、本当は違っていたんだけども、苗字が同じだったんでうっかり呼んでしまった)
そして電話の内容は、「借金があるから返せ」と言うものでした。
気弱な押し問答の末、ブリギッテは電話を切ってしまいました。しかしすぐさまリトライしてきます。今度はアリスが取りました。5分くらい話していましたが、電話の相手はドスを効かすことに忙しく日本語ができていません。後にアリスはそのくずれ具合を「漫画みたいでした」と語りました。
電話の相手はブリギッテを出せとか喚いていましたが、埒があかないと見ると、今度はアリスを脅しにかかりました。曰く、そこの電話番号を使って寿司とか消防署とか呼ぶぞ、とか。この脅し文句もまさに「漫画みたい」だと思います。
それでも女性にはなかなか応えるようなので、一度切り、今度は私が出ました。ラッキ……もとい不幸なことに職場責任者は本日お休みだったのです。しょうがないなあ、俺が出るしかないかあ(ドキワク)
以下、遣り取りの中で面白かった部分を抜粋してお送りします。結局、20分くらい話し込みました。なお、電話相手のことはチャーリーと呼称します。

俺「今、ブリギッテさんにお金を貸したといいましたが、証文か何かはあるんですか?」
チャーリー「そんなのねえよ」
俺「は? ないのに借金を返せとか言ってるんですか?」
チャーリー「口頭の遣り取りでも成立するんだよ!」
俺「それ、どこに書いてます?」
チャーリー「貸したのは事実なんだよ!」
俺「いえですからね、口頭でも成立するってことの根拠はなんなんです? 民法の第何条とかそういうのないんですか?」
チャーリー「○×△!」
俺「根拠になる法令はなんですか?」
チャーリー「法令ってなんだよ」

マジボケ!? バックレ!?

チャーリー「わかりました、あんたから取ることにします」
俺「は?」
チャーリー「探偵使って、あんたの家と家族と職場と隣の家を調べて徹底的に追い込みます。あんたから払わしてくれと泣きついてきても許しません。そうですね、一ヶ月くらいですか。そこの住所、○○中学校の側ですね」
俺「えーっと、それは脅迫ですか?」
チャーリー「そうだよ、脅迫だよ!」
俺「脅迫は、犯罪ですよね?」
チャーリー「こっちゃ借金取り返そうってんだよ、脅迫でもなんでもするぜ!?」
俺「え、犯罪だってわかってやるっていってるんですか!?」
チャーリー「高利貸しだぞ! 決まってるじゃねーか!」
俺「高利貸しって犯罪なんですか!?」
チャーリー「そうだよ! ○×△!」

高利貸しは違法な職業! 高利貸しになると自動的に犯罪者!

(俺が「聞こえないんでもっと大きな声で言ってください」を三回繰り返した後。実際、聞こえづらかった)
チャーリー「お前な、俺を馬鹿にしただろう」
俺「それはあなたの主観ですね」
チャーリー「だったらなんで大きな声でとか言うんだよ!」
俺「単純に聞こえなかったからです。他に他意はありませんよ」
チャーリー「お前の考えなんか関係ねーよ!」
俺「あのねえ、相手がどんな意図でそういうことを言ったか確認しないと、コミュニケーションとかできないでしょ?」
チャーリー「コミュニケーションなんか取るつもりねえよ!」
俺「え、でもさっき私を脅迫するって言いましたよね。脅迫もコミュニケーションの一種ですけど」
チャーリー「揚げ足取るなよ!」

コミュニケーション不全。今から考えると、電話してる段階でコミュニケーションは出来てはいる。相互理解も実はできてる。少なくとも、俺がチャーリーをまともに相手する気がないことはチャーリーには伝わっているし、チャーリーが俺の言うことをまともに聞く気がないことも俺には伝わっている。

俺「脅迫ですよね。じゃあ、名前と住所と電話番号教えてください。警察に持っていきますんで」
チャーリー「警察に持って行くのがわかっててなんで教えなきゃいけないんですか」
俺「え、でも脅迫するんでしょ? 自衛のためには当たり前じゃないですか」
(中略)
俺「名前と住所と電話番号教えてください」
チャーリー「チャーリーです。電話番号は090-XXXX-XXXX」
俺「どこのチャーリーですか?」
チャーリー「どこのって、チャーリーはチャーリーだよ!」
俺「じゃあ、業者名を教えてください」
チャーリー「個人業者だよ!」
俺「じゃあ、営業許可証とかありますよね? それの番号教えてください」
チャーリー「じゃあ、かわりにアンタの住所と電話番号教えてください」
俺「それは関係ないですね」
チャーリー「約束ですよ」
俺「約束なんかしませんよ」
(以後水掛論)

さっきアリスが取った時は「ライフ」とか名乗ってなかったかアンタ? ライフってあれか? アイフルの子会社のライフか?

(そろそろ飽きてきた)
俺「そもそも、何の用で電話してきてんですか?」
チャーリー「ブリギッテの借金のことだったがお前に標的を……」
俺「ちょっと待ってくださいよ、ブリギッテが借金をしてるって証拠を見せてくださいよ」
チャーリー「人の話を聞けよ!」
俺「話の前提が変なんだから確認しないといかんでしょう!」
チャーリー「最後まで聞けって言ってるだろう!」
俺「私を脅迫するって言ってるんならわかってるんでもう言わなくていいです。その前提としてブリギッテに金を貸したって言う証拠を見せてくださいよ」
(あ、最初に戻っちゃった)

とまあ、このような心温まるエキサイティングなコミュニケーションの後、チャーリーが「ちょっと待て」の一言とともに保留に。(マナーのことを言うならば、電話をかけた側が保留とかをするのは失礼にあたります。皆も気をつけよう!)
しばらくして、違う男が出て、普通の口調でチャーリーの名前と携帯番号を繰り返して、電話は切れました。
あー。17:00過ぎちゃったよー。

警察にご挨拶

ブリギッテがあんまり不安がるので、「じゃあ、警察に相談しようか」と一緒に警察署まで。受付で担当部署を聞いて相談に乗ってもらう。

で、一室に通され警察官(以後、オラトリオと呼称)に話を聞いてもらう。
事情を一通り聞いた後、オラトリオは全て脅しだと鼻笑いで一蹴。

オラトリオ「プリペイド携帯と売買した銀行口座を使って、どっかの県外のマンションの一室からかけているだけです」
オラトリオ「顔も知らんような相手に電話するだけ電話して脅す、30にもならんボンボン連中ですよ」
オラトリオ「本当はねえ、私も歯がゆいんですよ。受話器に手えつっこんで向こうから出してとっつかまえたいですよ」
オラトリオ「プリペイド携帯に限らず携帯電話ね、本当に困るんですよ。契約者の開示請求しても、一ヶ月かそこら待たされた挙句に『プリペイドなので情報はありません』の一行ですわ。銀行の口座ならすぐに潰してもらえるんですけどね」
オラトリオ「ここ五、六年でこういうのが増えてですねえ、今日もそういう相談ばっかりでしたわ」
オラトリオ「まず、実際に手を出してくることはありません。まあ、たまに本当に寿司とか注文されたりしますけど、それでも電話であちゃこちゃやるのが関の山ですわ」
オラトリオ「もし相手に住所が知れたらですねえ、今はもうネットで地図が見れるでしょ? そうすると、隣の家とか近くの商店とかの名前を出して『今、そこの前を通ったぞ』とかやる訳ですよ。これが気の弱い人には堪えるんですわ」
オラトリオ「まあ、請求額自体は2万からせいぜい5万。だけど、一度支払うと(カモ認定されて)次々同じような電話がかかってくる。で、徐々に金額も上がってくる。まあ、それでも合計300万くらいがいいとこですかね。それ以上は搾り取れないのが向こうにもわかってるんで」
オラトリオ「断る方法はねえ、もう、強気で行くだけですね。そこで『困ります』とか弱みを見せると、カモと思われる」
オラトリオ「戦争だと思った方がいいです。弱点を見せると、どどーっとそこに攻め込んできますから」
とても含蓄の深い言葉だと思います。
オラトリオ「特に役所さんはねえ、長引くケースが多いんですよ。一度カモ認定された後ですね、業者が役所の関係ない部署に嫌がらせの電話をする。で、それで上役とかがカモ本人にどういうことだと詰め寄る。すると、カモがまた金を振り込む。悪循環ですわー」

などなど、大変ためになるお話をしていただきました。本当にありがとうございました。
明日、責任者等によく説明することにして、解散。念の為の自衛策もいくつか準備しました。ここでそれをバラすことはないですがー。
なんてーか、http://cool.kakiko.com/korea00/とか合宿所報告選とかのノウハウって、応用が効くなーとしみじみ思っています。

帰宅後

家人に話す。「もしかしたら、危ないかもよ?」
家人「俺んとこにこないかなあ、おちょくってやるのに」
はっはっは、頼もしい限りだぜ。さすが似非同和を追い払っただけのことはある。まあ、年相応に大人しくしていて欲しいが。
後日談に続きます。