ある人の言った言葉

 同僚の一人、本の毀損・弁償、寄贈を担当する方がいる。
 残念ながら、この年度末においても奮闘空しく机の上には未処理の資料が大量に積んである。まさに積読である。いや、読む訳じゃないが。
 慣れない職場の慣れない仕事で遅いのはわかるが、いい加減習熟して欲しいなあと横目で見ながら思っていたのだが、同じことは他の毎日手伝いをしてるバイトさんなども思っていたらしく、ある時どうにかならないのかと苦情と言うか嘆願と言うかよくわからないことを言ったらしい。
 すると、その時の回答が以下のようなものだったそうだ。

(途方に暮れた顔で)「本が湧いて出てくるんだ」

 いやそりゃまあ、毎日百冊以上の本が出てるこの国の現状を考えれば、「湧いて出る」って表現もそれほど違和感は感じないけどさあ。
 まあ、思わず笑ってしまったので、来年度の職務分担に期待すると言う結論でお茶を沸かす。あ、濁す。