ハンナバーベラ

うるさい - 永字八法の続きと言えば続き。
うちの猫はすでに代替わりしている。
二匹の子猫を無事に育てた親猫は、黒い毛がめっきり色褪せた後、ふらっと姿を消した。
遺されたのは、すっかり成人した雄と雌の黒猫二匹。
雄の方は彼の天下かと思いきや、生来のヘタレが出て他の雄猫たちに追い掛け回される毎日。たまにこそっと戻って来るかと思うと、キャットフードをばりばり食べてすぐまたどこかへ去っていく。
人に慣れない雌の方は、母親がいなくなった途端に腹が膨らみ、出産。何匹が生んだはずだが、今では一匹だけになってしまった。どうでもいいがまた黒猫だ。ここ数年、うちの猫はみんな黒い。
で、その一児の母となった黒猫(チビナガと呼んでいる。……そう呼ばれて振り向いたことはないが)のお話。

庭においてあったプラスチック製の如雨露、その中の水を飲もうとして頭を突っ込み、抜けなくなると言うカートゥーンを披露。抜こうとして庭中を暴れ回る。暴れるたびに如雨露の口が植木鉢やら木やらに当たる。そのショックが中に伝わりさらに暴れる。悪循環である。
見かねた家人が(つうか、庭仕事できねえ)チビナガをおさえつけて抜こうとするが、暴れて話にならない。
「これがその時の傷」となんか自慢げに手のバンソーコーを見せびらかされる。くそう、現場に居合わせたかったぜ。
結局抜けたようだが、これでまた人間嫌いが進むんだろうか。