小説 ザ・外資
- 作者: 高杉良
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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小説内で起こるイベントはどれも面白い。新聞記事とか内情を聞いて仲間とあーだこーだ議論するところは、現実味がある。(セックスとか結婚ネタは要らんと思ったが、読者層からすると要るんだろうなあ)しかしストーリー全体で見ると、前半でアメリカ系外資のハイエナっぷりを見せて、後半でそのハイエナに日本が食い物にされる様を見せ、えーと主人公何のためにいるんだろうな感じ。
この主人公の設定も設定で、登場人物たちがどうしてこの主人公を引き抜こうとするのか、全く理由が読めない。主人公の優秀さを見せたいと言う演出意図があるんだろうが、MBA持ちの元MOF担と言う経歴で、優秀さを示すエピソードは合併の提案書を持ち込んで諸手を上げて受け入れられるくだりのみ。ちょっと説得力がないんじゃないかなあと。
しかし、年収1400万か……。その設定自体すでにドリー夢な感じだなあ、今の世相からすると。
まあ、主人公が島耕作並に完璧超人なのを除けば、シミュレーションとしては面白い話でしたよってことで。